【お金の話】ペレットストーブ購入前に知るべきお金の知識
暖房器具として環境に優しく、経済的な暖房方法としてペレットストーブが注目されています。
この記事では導入を考えている方のためにペレットストーブにかかる総合的な費用について解説しています。この記事を読んでおくことで導入に数万円から数十万円の費用差が出てくる場合もあります。
また、お得に導入するために初期費用、維持費用、保守費用を踏まえたトータルコストを把握しましょう。また、助成金を利用すると負担が減る場合があるため事例を含め必ず確認しましょう。
目次
1. ペレットストーブ初期費用の全貌
ペレットストーブを導入する際に気になるポイントの一つが初期費用です。
初期投資は、ペレットストーブ本体の価格以外にも設置費用や小物類の購入費が含まれます。また、設置に必要な工事費も必要になります。これらの各種費用は地域やメーカーによって異なるため、具体的な金額を事前に調べ、資金計画を立てることが適正な初期費用の算出に必要です。
ペレットストーブはランニングコストを抑えられるメリットがあるものの、初期費用を事前に比較検討し、長期的なコストパフォーマンスを見極めることが必要です。
ペレットストーブ初期費用の全体像
本体費用 | 20〜100万円 |
---|---|
設置工事費 | 15〜25万円 |
合計 | 30〜160万円 |
※数値はあくまで目安となり、使用する機種や排気筒、家の構造によって変動します。
1.1. ペレットストーブ本体の価格は?
初期費用の大部分を占めるペレットストーブの本体価格は、数十万円から数百万円の幅があるのが実情です。機能性やデザイン、ブランドによって大きく変わりますが、一般的な家庭向けモデルでは、30万円から60万円程度が目安となるでしょう。
1.2. 総初期費用例と予算の立て方
ペレットストーブを導入するための総初期費用の例を示します。こちらはある家庭で実際にShimotaniのペレットストーブであるEM2を導入した時の総初期費用になります。
ペレットストーブ本体費用 | 33万円 |
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設置工事費 | 15万円 |
合計 | 48万円 |
さらに、快適に使用するためのオプション品やデザインを重視したい場合は追加費用がかかります。予算を立てる際には、これらの費用を総合して計算し、予期せぬ出費に対応できるよう余裕をもたせたプランニングを心がけましょう。
予算を抑えつつ最適な選択をするためには、複数の見積もりを取得し、比較検討することも効果的でしょう。
2. ペレットストーブのランニングコストとは
ペレットストーブの導入費用に加え、運用コストがかかります。これには、燃料であるペレットの購入費用や、ストーブの保守・メンテナンス費用などが含まれています。
燃料は1時間あたり1キロを必要とし、燃料1キロに対する価格は60円〜80円が相場です。またメンテナンスを専門業者に依頼すると年に2万円ほどの費用が一般的です。
また、ペレットストーブ性能や燃料の品質、価格のバランスなどを鑑みた選択を心がけましょう。
2.1. 定期的な燃料費
ペレットストーブを使用する際、最も基本的かつ重要なランニングコストは燃料である木質ペレットの購入費用です。木質ペレットの価格は一袋(10kg)あたり600円〜800円が相場となります。また1時間あたり1kgが標準的な消費量です。
木質ペレットは購入する量や品質、さらには購入するシーズンや市場価格の変動によっても異なります。たとえば、冬場の需要の高まりにより、価格が上昇することも考えられます。また、ペレットは湿気や直射日光を避けて保存する必要があるため、適切な保管スペースも準備する必要があります。これらの点を踏まえ、コストを正確に把握しておくことが、経済的にペレットストーブを運用するための鍵となります。
下記の表の例を元に自身のストーブの運用時間から必要なおおよその木質ペレットを算出してみましょう。
1時間あたりの燃料費 | 70円 |
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1日あたりの稼働時間 | 6時間 |
1シーズン期間 | 4ヶ月(120日) |
合計 | ¥50,400 |
2.2. 定期メンテナンスの必要性とコスト
ペレットストーブのメンテナンスは1年に1回の実施をおすすめしています。メンテナンスを怠ることでストーブの寿命を短くしたり、燃焼効率の悪化によるランニングコストの増加などを引き起こす可能性があります。
専門業者にメンテナンス費用を依頼する場合は2万円程度が相場になっているため上記の燃料費に加え算出しましょう。
保守メンテナンスの詳細はストーブはクリーニングのほか、部品の摩耗や老朽化に伴い、交換が主な内容となるでしょう。例えば、イグニッション関連部品や排気系の部品などが挙げられるでしょう。このようなメンテナンスは、安全にストーブを使用するためにも必須であり、避けて通れない経費になります。しかし、快適安全に使用するために費用をかけることで性能の最大化と老朽化を遅らせることで結果的に故障、買い替えといった費用を抑えられるでしょう。
3.費用削減の節約テクニック
ランニングコストを抑えるためには、いくつかの節約テクニックを駆使することが賢明です。
3.1木質ペレットの賢い購入方法
ペレットストーブを使用する上で、目を向けるべきは燃料であるペレットの購入方法です。ペレットの価格は季節や地域によって変動するため、長期的にコストを抑えるためには購入タイミングを見極めることが肝心です。例えば、需要が下がる夏場に大量購入をすることで、価格の高い冬場の購入を避けるなどの方法が考えられます。
また、一度に多く購入することで割引が適用されることもありますので、保存スペースや予算と相談しつつ、適切な購入計画を立てましょう。
3.2効率的なペレットストーブの使い方
ペレットストーブの効率的な使用は、ランニングコストを下げる上で重要です。一般には、部屋の広さや断熱状況に合わせて適切な出力設定を行うことで燃料消費を抑えることができます。
また、ストーブの位置を工夫することで室内の熱の循環を助け、より少ないエネルギーで快適な環境を作り出すことも可能です。さらに、定期的なクリーニングはエネルギー効率を高め、不完全燃焼による燃料の無駄遣いを防ぐことにつながります。これらの工夫をすることで、維持費を抑える使い方を心がけましょう。
4. トータルコストを把握しよう
先にも解説した初期費用とランニングコストを含めたトータルコストを把握することが導入にあたって必要になってきます。
購入前にトータルコストをしっかり理解しておけば、予算超過を避けたり、経済的に長期使用の費用対効果が期待できます。
上記の例をまとめた場合以下のような費用が算出されます。
初年度費用 | 2年目以降年間費用 | |
---|---|---|
本体等初期費用 | ¥600,000 | |
燃料費 | ¥60,000 | ¥60,000 |
メンテナンス費 | ¥20,000~¥50,000 | ¥20,000~¥50,000 |
合計 | ¥680,000~¥710,000 | ¥80,000~¥110,000 |
※本体等初期費用に関しては、使用する機種や煙突、家の構造によって変動します。
※薪やペレットの値段は地域によって異なります。
※あくまで目安となり、使用状況によって変動します。
5. 資金計画の立て方
ペレットストーブを購入する際には、その価格だけでなく、運用するための資金計画を立てることがとても重要です。資金計画をしっかり行うことで、予期せぬ出費を避け、経済的な暖房機器運用が可能です。
上記でも解説したようにペレットストーブの運用コスト、メンテナンス費用、必要に応じた消耗品の交換など、長期的にかかる費用をリストアップしましょう。次に、それらの費用に対応するための予算をどう確保するか、具体的なプランニングをしていきます。
5.1. 長期利用における消耗品の交換
ペレットストーブを長期間使用していく中で、消耗品の交換は避けられません。
例えば点火プラグ、燃焼ポット、吸気・排気ファンなどは定期的な交換が必要になることが多いです。これらの交換費用も資金計画に組み込むべき必要経費のひとつです。
また、交換時期や頻度は、使用頻度やメンテナンスの徹底度合いによっても変動します。したがって、平均的なライフサイクルを把握し、予備の資金を確保しておくことが大切です。
6. 購入後も役立つ助成金とは
ペレットストーブを導入した後も、維持費用の負担を軽減するための助成金が存在します。
これらの支援は、地方自治体や国が提供しており、環境保全やエネルギー節約を目的とした取り組みの一環です。助成金を利用することによって、ランニングコストの節約、経済的な負担を減らすことが可能です。
ただ、それぞれの助成金には申請のための条件がありますので、利用可能な助成金をしっかりと調べ、適切な手続きを行うことが重要です。ペレットストーブの運用を考えている方や、既に導入済みの方も、お住まいの自治体などの助成金を調べてみることをおすすめします。
実際、直近の北海道の助成金ではペレットストーブ1台に対して5万円が助成されるなど、ぜひとも確認してみましょう。
6.1. 助成金の活用事例
助成金の活用例として、実際にShimotaniでペレットストーブの導入をした方の具体的な事例を紹介します。
お客様は富山県南砺市の方でShimotaniのMayを購入した方でした。
富山県南砺市では当時ペレットストーブを導入する方に向けて上限20万円が支給される助成金がありそちらを活用し、20万円お得にペレットストーブを導入することができました。
以下のように地方自治体では、住宅の省エネ化を図るために、ペレットストーブの購入に対して費用の一部を補助する制度を設けています。また、運用においても、燃料費の一部を助成金で賄えるため、月々のランニングコストも削減されています。これらの事例は他の地域にも波及し、省エネ暖房器具の導入を推進する動きに火をつけています。
6.2. 助成金の活用方法とメリット
助成金の上手な活用方法は、まず自分が生活する地域の制度内容を把握することから始まります。自治体のウェブサイトや公共施設で情報収集を行い、どのような支援が受けられるのか詳細を確認します。
その上で、必要書類を集めて申請手続きをすることで、助成金を利用することが可能になります。助成金のメリットとしては、費用の軽減だけではなく、再生可能エネルギーの利用促進に貢献することが挙げられます。
また、地域社会において、環境保全活動への意識が高まることも期待できるでしょう。助成金を活用することで、ペレットストーブの導入による環境と経済の双方にメリットをもたらすことができるのです。